自然石の店 LAND'S SANCHA
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東伊豆旅情
東伊豆旅情
東伊豆旅情
緑樹倒影入池塘
緑樹,影をさかさまにして池塘に入る。


東伊豆に住む友人に鱒釣りに誘われた。
伊東市のはずれにある松川湖というさほど
知られていない周囲4kmほどの小さな湖。
湖が鱒の適水温の13℃位となり
最近いい釣りをしていると電話があった。
夕まずめ(魚が活発に捕食する夕方の時間帯)に
ねらいを定めて湖に向かった。
若い時分には朝から晩まで魚を求めて,
ガムシャラに釣りをしたが,最近は釣りが枯れてきた。
枯れた釣り師とは聞こえがよいが,
根気が続かないのを,歳のせいにしているだけなのだ。
湖の周囲の木々は夕方の強い西日を受けて,
パレットに黄色と緑色をペイントナイフで
大胆に混ぜ合わせた様な色彩を湖面に写し込んでいた。
夕まずめは釣り師にとってはゴールデンアワーなのだ。
湖面のあちらこちらで鱒が盛んにライズしハシャイでいる。
背後に鳥のさえずりを聞きながら,
湖岸よりルアーをキャストした。
何投目かに,ルアーをひったくる様な
強いアタリがあり鱒がヒットした。
慎重にたぐり寄せるとネットに40cmオーバーの
美しい虹鱒が横たわった。
「今日はいい釣りをさせてもらったよ。」と言うと
友人の笑顔がちょっと自慢げだった。
東伊豆旅情
薫風花草香
薫風,花草かんばし。


東伊豆は初夏の陽気だった。
草や花や木,生きとし生けるものが薫風を受けて
光り輝く季節を謳歌していた。
芝桜はピンクの絨毯を自慢げに広げ,
足元の名もない草も朝露を宿して輝き,
アヤメは緑の茎をスクスクと伸ばし,
コデマリは今を盛りと可憐な白い花を,
たわわにして風にゆれていた。
東伊豆旅情
酌酒食山海
酒を酌みて,山海を食す。


東伊豆は南から流れ込む黒潮海流に乗った
温暖な風が,豊かな山と海の幸を育んでいる。
早朝に漁港を訪ねると,
朝とれたてのアジやサバやイカが
汐風の中でたくましく働く屈強な漁師達に
よって水揚げされていた。
友人の知り合いの漁師に分けてもらったアジと
近くの山で採れたタラノメが,奥さんの手料理で
夜の食卓を飾った。旨い酒と山海の幸。
釣り談義にも花が咲いた。

東伊豆は
光の国,花の国,豊穣の国だった。
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