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緑樹倒影入池塘
緑樹,影をさかさまにして池塘に入る。
東伊豆に住む友人に鱒釣りに誘われた。
伊東市のはずれにある松川湖というさほど
知られていない周囲4kmほどの小さな湖。
湖が鱒の適水温の13℃位となり
最近いい釣りをしていると電話があった。
夕まずめ(魚が活発に捕食する夕方の時間帯)に
ねらいを定めて湖に向かった。
若い時分には朝から晩まで魚を求めて,
ガムシャラに釣りをしたが,最近は釣りが枯れてきた。
枯れた釣り師とは聞こえがよいが,
根気が続かないのを,歳のせいにしているだけなのだ。
湖の周囲の木々は夕方の強い西日を受けて,
パレットに黄色と緑色をペイントナイフで
大胆に混ぜ合わせた様な色彩を湖面に写し込んでいた。
夕まずめは釣り師にとってはゴールデンアワーなのだ。
湖面のあちらこちらで鱒が盛んにライズしハシャイでいる。
背後に鳥のさえずりを聞きながら,
湖岸よりルアーをキャストした。
何投目かに,ルアーをひったくる様な
強いアタリがあり鱒がヒットした。
慎重にたぐり寄せるとネットに40cmオーバーの
美しい虹鱒が横たわった。
「今日はいい釣りをさせてもらったよ。」と言うと
友人の笑顔がちょっと自慢げだった。 |
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